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June 03, 2009

小説「健太少年」!

Imgp6769_2カカアコ・ウオーターフロント・パークの一部。
Imgp6768今日のホノルルはめちゃ暑かった!そんな時のランチはここの、、
Imgp6767これ、「ゆっちゃんの冷麺」に限る。これを食べたことない人いるかな、、?もしまだだったら絶対に一度食べておくべきです、、(笑)!
Imgp6170阿寒雄岳。
Imgp61742日間続けてつれて行ってもらった摩周湖。遠くに見える残雪の山々は知床連山!なんとここでハワイの観光客と会った。それも隣町のマノアの人たちだった!
Imgp6178摩周湖のサイン。
Imgp6371到着したJR根室駅。
Imgp6379根室港、、。
Imgp6374さすがに漁港根室!海鮮料理は死ぬほど美味かった!


 「今日は土曜出勤だ。健太また仕事手伝ってくれるか?」
「ああ、良いとも黒さん!映画を見てフィルムが切れてないか、画質が悪くなってないか見てれば良いんだろ?」
「そうだ。しかし今日はおそらく5,6本は見てもらわなきゃならないかも知れないぞ!」
「まかしとけ、ってんだ!」

 黒さんは健太の家の下宿人、
C大を卒業後映画会社のT映に入社、
その後も継続して我が家に下宿、健太のうちから通勤している。
その黒さん、土曜出勤や休日出勤の時は必ず健太に声をかけてきて、
彼の仕事を手伝ってくれと言うのだ。
健太は決してその手伝いが嫌ではなく、
むしろ大歓迎。
だって封切り映画ではないけど、1日に3本も4本も只で映画が見れるんだ。

 黒さんのT映での仕事は記録係、
在庫フィルムを管理する仕事だ。
その日は当時のT 映のヒット作、時代劇が主で中村錦之助や市川歌右衛門、片岡千恵蔵などの作品を6本見もた。
そんな時黒さんは昼になると決まって店屋物を取ってくれる。
大好きな映画が只で見れた上に店屋物の昼飯にありつける!
健太少年にはこんな嬉しい事はなかった。

 玉子丼を会社のデスクの前で掻き込みながら黒さんが言った。
「健太、片岡千恵蔵なんか映画に1本出演すると、一体幾らもらえる思う?」
「えー、見当も付かないけど、、5万円くらいかな、、」
「300万円だ!」
「さ、300万円!」
思わず健太の口の中の飯粒が飛んだ!

 当時の大卒の初任給はおそらく1万円程度だったに違いない。
なのに、片岡千恵蔵などトップスターはたった1本の映画に出るだけで300万円も稼ぐなんて、、。健太少年にはとても信じられらなかった。
健太少年の胸の中に熱いが思いが押し寄せてきた。
<よーし、健太は俳優になろう!俳優になって沢山稼いで、おっかさんに孝行するんだ!>

 ある日突然大きな木箱が届いた。
黒さん宛だ。
「健太、釘抜きを持て来い!」
健太が持ってきた金槌兼釘抜きで、黒さんは届いた木箱を開けた。
一面に魚臭さが広がった。
何とその箱からは大きな塩鮭が何本も出てきた。
更にその箱の隅には金属製の小さな箱も出てきた。
その金属製の箱を開ける黒さん!
「あっ!」
何とその中から出てきたのは大量の筋子だった。
「こ、こんな高価なもの、どうしたの?」
黒さんは筋子の一腹を金鎚の端で持ち上げながら言った。
「健太、お前も知っての通り俺の家は北海道は根室の漁師だ。
食糧難依然が続く東京の俺を心配して、国の親父が送ってくれたのさ、、」

 確かに当時はまだ食糧難が続いている東京だった。
さんま一匹を一人半分づつ食べれればましな食卓、
黒さん故郷から送って来てくれた鮭と筋子は、
まさに健太の家に宝物が届いたようなものだった。

 阿寒湖、摩周湖、そして屈斜路湖の天候は最高で、
殆どハワイと変わらないような見事な快晴だった。
更にラッキーだったのはブログ友の「バニアンさん」の好意で、
2日間に分けてあちこち案内して頂けたことだ。
それも、とんまが摩周湖が素晴らしかったと言ったので、何と2日間続けて連れて行ってくれた。
「川湯温泉(摩周湖付近)の2泊が終わったら、今度はどちらへ?」
阿寒湖2泊を終えて川湯温泉まで送ってくれたバニアンさんが尋ねてきた。
「根室に行こうと思ってるんですよ、、」
「根室?ですか?」
「そうなんです。根室には一度行ってみたかったんです!」
「でも、根室って単なる漁村で、あまり見るところは有りませんよ。せいぜい納沙布岬くらいなもんかなあ、、」
「いやあ、実は根室には会いたい人がいるんですよ、、」
「バニアンさん、健太ったら50年も会ってない人を探したいって、、、」
とんまが半分あきれたように言った。

 「なるほど。でも住所は分かってるんでしょ?」
「それが、分かっているのは名前と職業だけなんです、、」
「そ、そんな!で、その人の職業は?」
「漁師です。でも根室って小さな街でしょ?
それに漁師なら漁港に行けばきっと誰か知っている人が、、」
「健太さん、そりゃ無茶ですよ!ま、考えられるのは交番とか役場で尋ねてみるくらいかなあ、、。それにしても何故そこまでしてその、勝さんって言う人を探さなきゃならないんですか、、、?」

 T映の黒さんはその後結婚するため健太の家を出て行った。
健太たちもその後、黒さんが下宿をしていた高井戸の家を始末して蒲田へ越した。
時はどんどん過ぎて行く、、、。
健太も何時しか高校生になっていた。
そんなある日おっかさんが言った。
「健太、黒さん覚えてるだろ?」
「もちろんさ、健太の大好きな黒さんだ!」
「そうだったね、、。その黒さんの弟さんで、
勝さんって言う人が今度ここに下宿することになったんだよ」
「へー、そうなんだ。でも黒さんの弟さんなら健太も好きになれるね、きっと!」

 勝さんは、長男・黒さんの居なくなった根室の実家の漁師を継ぐことになったらしく、
東京の専門学校に会社経営を学びにやって来ると言う。
それから暫くして根室からやってきた勝さんは、
いかにも漁師らしく、色が黒く筋肉質。
性格は開けっぴろげで一本気、実に男らしい人だった。
そんな勝さん、もちろんいっぺんで健太は気入って、
弟のように可愛がってもらった。

 「勝っちゃん、片岡千恵蔵が一本映画に出演すると幾らもらえるか知ってる?」
ある日健太はギターをつま弾いている勝ちゃんに、ふとそんなことを聞いて見た。
「えつ?い、幾らくらいかなあ、、」
「300万円だってさ!勝ちゃんのお兄さんが言ってたよ!」
「300万円か!うーむそりゃすげーなあ、漁師より儲かりそうだ、、、」
「だろ!だから健太は将来俳優になるんだ!」
その言葉に勝つちゃんの下手糞なギターを弾く手が一瞬止まった。
「健太が俳優に?ははは、、笑っちゃ悪いけど、ははは、お前が俳優にか!?」

 JR根室駅は殺風景だった。
駅前広場にも人影は殆どなく、見渡す限り殺伐として淋しげな街だった。
ホテルは駅から近いところをインターネットで押さえてある。
「健太、、その勝ちゃんって人、本当にこの街にいるのかなあ、、、」
とんまが頼りなさそうに健太の袖口を掴んだ。
「わかんない、、。何しろ50年も前の話だからなあ、、。生きているかどうかすら、、、」
ホテルまでは駅から300メートル、と言うふれこみ、
駅前を歩いて目に付くのは「返せ、北方領土!」の看板ばかりだった、、。
<勝ちゃん、生きていてくれよ!!>
健太は暮れなずむ空を見上げながら、心の中で小さく叫んだ。
 
 明日に続く!

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Comments

健太さん:

「海鮮料理は死ぬほど美味かった」との、表現方法私は大好きです。超旨い、スッゲー旨いより数倍気持が伝わってきます。

黒さん、勝さんに関する話、その当時の時代背景が目に浮かびます。「間違いなく今より豊かな時代です」

梅肉エキス、今まで生きて来て経験した中で「死ぬほど一番酸っぱい味でした。4日後には効果(何の?)が出てくるとの事ですので飲み続けます。

Posted by: twyok | June 03, 2009 at 09:41 PM

健太さん、こんにちは

これは続きが楽しみになってきましたhappy01
大どんでん返しとかあるんでしょうか?

今ではインターネットで名前を検索すると長いこと会ってなかった友人知人の所在がわかったりすることがありますねeye
こんな事書いたら、話が台無しですねimpact
すみませんdown

北海道のはずれでハワイの人に会うなんて事があるんですねfuji
なぜ旅先が北海道なのか、摩周湖なのか???ですthink

Posted by: ダイアルはM | June 03, 2009 at 10:54 PM

twyokさん

梅肉エキス、いかがですかthink
健太の場合最初から一寸効果があったような気がしますgood
そして4日目には結構はっきり効果を感じましたupwardright

一寸酸っぱいけど、頑張って飲んでくださいcoldsweats01

小説「健太少年」などと書きましたが、単なるお話です、、coldsweats02
でも本当にあの頃は日本の良き時代でしたfuji

Posted by: 健太 | June 03, 2009 at 10:56 PM

健太さん:

梅肉エキス、いかがですか?

どうも、私も健太さんも単細胞(失礼)なのか、初めて飲んだ1-2時間後には、オー、何か違うupwardrightと思いました。そして今夕方の6時半、いつもは日中の激務(?)の疲れを毎日感じる時間ですが、今日は」疲れを全然感じませんkaraoke

単純すぎますか?

Posted by: twyok | June 03, 2009 at 11:27 PM

今の根室の風景を知っているボクには50年前の日本の含めて「三丁目の夕日」よりリアルに風景が見えてきますね~think
まだ テレビの無かった時代
数の子が軒先に吊るされてオヤツ代わりに渋々食べてた時代
鎖なんかで繋がれていなくてイヌもネコも笑顔を持ってた時代
隣の家にオカズをお裾分けした時代
ハナタレ小僧が穴の開いたズボンを穿いて走り回ってた時代
確かに豊かで色があった時代ですよねart

セミノンフェクションはもう少し続きますね(^_-)-☆

ボクの方の連動ネタはもう少し後にアップすることにしますhappy01

ここまで話題になると梅肉エキスが気になりだしてきたな~

Posted by: BANIANN | June 04, 2009 at 12:15 AM

ダイアルはMさん

昔を懐かしむって事は年を取った証拠でしょうけど、会いたい人って皆居るんじゃないかなあ、、think
特に黒さん勝ちゃんの場合、健太の人生を大きく変えた人たちですから、、typhoonwave

なるほどネットで名前を検索ですか、、やってみますcoldsweats01
そんなに有名な人じゃなくて、一般人でも出てくるかなあ、、、coldsweats01

twyokさん

今、夜中の12時。さっき梅肉エキスを飲みましたgoodもう少ししたら寝ますsleepy

梅肉エキスには、年齢と共に酸化してゆく人間の身体を、何とかアルカリ性に保とうとする力があるんじゃないかなあthink

後「水を1日2リットルの飲みなさい!」って、かつて漢方の医者から言われました、、。最近忘れて飲んでませんが、体の新陳代謝をスムーズにしてくれるので、出来たらこれもまた始めますupwardright
「良い!」と言われてあまり悪影響のなさそうなものはどしどしやってみようと思いますgood

Posted by: 健太 | June 04, 2009 at 12:21 AM

BANIANNさん

ハワイの管理人でーすhappy01
やっと心の余裕も出てきて、さっきそちらにお邪魔しました。何だか読んでいて胸が熱くなってきました。本当にありがとうございますthink
人生とは人と人の出会いの為に有るんだとつくづく再確認させられましたscissors

軒先に吊るされた数の子がオヤツ代わりだったんですか?それは贅沢でしたね、、。時代が変われば変わったもんです、、、。
でもまさにあの頃は「イヌもネコも笑顔を持ってた時代」、何だか懐かしくもありますが健太にとっては切ない時代でもあります、、、。
でも間違いなく誰もが今よりずっと元気でしたgood
あの日本の元気、お金とそれがあるばかりの傲慢さがみんな持って行ってしまったのかも知れません、、think
こうしてあの頃のことを振り返ると、また元気が出てきます!何としてもあの元気を取り戻して、思いっきり楽しくこれからの人生を送ろうと思っていますsunfujityphoonthundershine
それにはどうしても、あの勝ちゃん、そして黒さんに会っておきたいと思ったのですが、、、、eyeeyeeye

梅肉エキス、健太にはとても良い感じですpighappy01

Posted by: 健太 | June 04, 2009 at 01:07 AM

あ、このお話はsign02

続きを楽しみにしています。
こんな長編を書けるということは
時差ぼけも解消しつつあるんですね。
「梅肉エキス」効果ですか~?
うちの母も飲んでいました。
長続きはしなかったみたいだけど(笑)

Posted by: 照見 | June 04, 2009 at 01:33 AM

照見さん

たいした面白い話じゃないんですが、書かないと自分で納得しないので書いてみました。小説なんてえらそうに言ってますが、単なるお話です、、happy01

昨日ムービーマンに照見さんが来る事を話したら、もうこのブログを読んで知っていました。安心してハワイにいらっしゃって下さいhappy01

お母さん、梅肉エキス効いていたようでしたかcoldsweats01

Posted by: 健太 | June 04, 2009 at 03:28 AM

父が一日働いて”聖徳太子の1000円札”を一枚貰っていた頃に「一匹1500円ほどもした」と言って買ってきた塩鮭。小糠鰯と塩鱒、時々鯖を食べるだけの日常が、鮭の切り身で華やかな食卓に見えた頃の話です。
豊かさは物心両面に求められますが、間違いなく心豊かな時代だったように思えます。

梅肉エキス・・、氷の上に乗せられた鱧に梅肉を乗せて頂く季節が近づいてきましたね。
chi-ponnは鱧に目がありません。
お魚屋さんに入荷したら、しっかりと骨を引いてもらった鱧を注文しなくっちゃ。
もう直ぐハワイに連れて行ってくれるchi-ponnのご機嫌取りに忙しくなりそうです(笑)。

Posted by: くろしばヒコ | June 04, 2009 at 11:32 AM

健太さん

つづき楽しみにします。
会えたらいいですね。

なんだか梅雨空、でも仕方がありません。梅雨には雨が降ってもらわない困りますからね。

健太さんが日本に来られる時には梅雨の晴れ間」かな

Posted by: 壽 | June 04, 2009 at 06:07 PM

くろしばヒコさん

日当1000円の時の1500円はでかいですねyen
お父さんも清水の舞台から飛び降りた気分だったのかもしれませんhappy01
まさしく、心はあの頃の方が豊かだたっと思いますthink

いよいよ近づいて来ましたねsign03
今のところ天気は上々!ずっとこんな天気であるよう、ダイアモンドヘッド様にお願いしてみますcoldsweats01

壽 さん

そうか、日本はもう入梅ですか、、。
何とか健太が帰るときだけでも晴れて欲しいもんですが、、pig
ま、あまり自己中もよくないので、今度はダイアモンドヘッド様には何も願わず日本へ行きますcoldsweats01happy01

Posted by: 健太 | June 04, 2009 at 09:39 PM

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