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July 29, 2012

男として頑張って!

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カイムキに新規オープンした「しゃぶしゃぶ・飛鳥」。美味くて安い!
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可愛い娘ちゃんウェイトレス「カリーナ」ちゃんとオーナーのケニーさん。
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中央一寸左上の水色の丸がワイアラエ通りの「飛鳥」!
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浚渫工事もすっかり終わって広くなったワイキキ・クヒオ・ビーチ!
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ブギボードを楽しむ子供達。
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たまにはイケメン軍団も、、、。
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本当に楽しそう。足が物語ってます!
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ワイキキもチャイニーズが多くなりました。
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お見事!
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「ふうーん、君って、、本当に可愛いね~」。禿げ親父、、「あ~~良い湯だ!」。
Pola
地球のポーラ・クリーマーちゃん!今日のエビアン・マスターズでは残念ながら9位だった。

 
 健太の宇宙旅行 VIII

 ポリス・スターの刑務所から「脱走!」をポーラちゃんに誘われた時、
昔見た映画、「スティーブ・マックウィーン」の「大脱走」を連想した。
スリルとサスペンスに富んだ手に汗を握る作品だった。
だから少なくてもあの程度のことは覚悟した。
<畜生、この足さえ痛くなかったらなぁ、、、、>
健太はつくづく自分の足の痛さを恨んだ。

 ポーラーちゃんの言葉通り、
あの9番ホールから10番ホールに抜けるトンネルのほぼ中央右に、
その秘密の抜け穴はあった。
トンネルの壁の一部の小さな岩を動かすとその入り口は大きく現れた。
「健太!」
ポーラちゃんはそう言って目で合図すると率先してトンネルの中に入って行った。
何処から手に入れたのかポーラちゃんはいつの間にか懐中電灯を手にしている。
ひんやりと湿ったカビの匂いがする。
抜け穴は意外と広く、
健太も立ったまま通れた。
ただ苦しかったのは殆どが上り坂だった事だ。
それでもポーラちゃんの足手まといにならないよう、
痛い足を引きずりながら懸命に歩いた。
おそらく2時間は歩いただろう。
幸いにも、
追っ手は来ていないようだ。

 やがて前方にポッカリ星空が見えてきた。
出口だ!
「健太、やったわよ!」
「やったね!」
そこはどこかの海が見える高台だった。
高台から見下ろす海はこの星の3つの月を映して想像を絶する美しさだった。
「何処の星も夜空は綺麗だなあ!」
その健太の声にポーラちゃんは答えようともせず、
声を押さえる様にして言った。
「こっちよ、健太!」

 ポーラちゃんはまるでこんな経験を過去に何度もした事があるかのように、
慣れた足取りでなだらかな坂を登ってゆく。
足が猛烈に痛くなった来た。
「ポーラちゃん、俺足が痛い、、」
「大丈夫、もう直ぐそこよ!」
見上げると坂を上りきったあたりに、
心臓の鼓動のような振幅の有る青い光を放つ物体が見えた。
最後の力を振り絞ってその青い物体の近くまで上りきった。
「健太、これが私のクリーマール!」
ポーラちゃんは自慢げに言った。
「えーっ、クリー丸?
あっそうか、『ポーラ・クリーマー』の、、『クリーマル』かあ、、」
大きさはコーイチ丸より少し小さいくらいで、
上半分は外景が見えるように透明に作られているようだ。
しかし今は鼓動する青い光で中は見えない。

 「&3%2*7!」
ポーラちゃんは訳の分からない声を発した。
その声に反応して、
クリー丸は音も立てずにそのドアを開けた。
車内は女の娘らしいピンクに彩られた可愛らしい内装だ。
バックミラーにはキティーちゃん人形がぶら下がっている。
早速クリー丸に乗り込む二人。
「さあ、出発よ。健太これから化粧星に向かうわ。
心の準備は良いわね!」
「ああ、、。まあ何とか、、」

 ポーラちゃんがクリー丸に命令を出そうとしたその時、
これから先の不安が一瞬健太の頭を掠めた。
「ちょっ、、一寸待ってくれ、ポーラちゃん!
化粧星に行くのは良いけどさ、
健太としちゃあいずれは地球に戻らなくちゃならない。
それにはコーイチ丸が必要なんだけど、
健太の乗ってきたコーイチ丸は何処にあるのかなあ?」
「えーっ、健太は地球へ帰る積もりなの?」
「もちろんさ!」
「そうだったんだ、、。
私はまた化粧星に行ったら、そのままずっとポーラと一緒に暮らしてくれると思ってたのに、、」
「そ、そんな馬鹿な!
だって地球じゃあとんまが待ってるんだ!」
その言葉にポーラちゃんの整った顔が一瞬淋しそうに歪んだ。
綺麗な顔が歪むと、いっそう綺麗に見える。
「そうね、、。
幾らなんでも健太が一人でいる訳はないわね、、。
わかった。
心配ないわ。
私はこのポリス星から逃げ出す力を健太から貰ったんだもの、
それだけでも充分よ、、」
そう言いながら光るものがポーラちゃんの目から流れた。
「、、、。ゴメン、、」
頬をぬぐってポーラちゃんは言った。
「コーイチ丸の事、あたしに任せておいて。
仲間に連絡して何とか化粧星に運ばせるから、、」

 ポーラちゃんとの星空の旅のが続いた。
しかし2人とも疲れきって殆ど眠っていた。
そしていよいよ化粧星にランディングの時がやってきた。
「健太、化粧星はとても綺麗なところよ!」
大気圏内に入って「クリー丸」は小型飛行機のようにその形を変えてえいる。
海はあくまでも青く、
ポーラちゃんの言葉の通り、
それはまさに地球と瓜二つで美しかった。
幾つか大きな大陸が見える。
クリー丸はその中の小さな島のような陸へ向かって行く。
「あれが、私の『ラニカイ王国』よ!」
「えーっ、、ラニカイ王国?」
空港近くの海にはヨットらしい物が何隻も浮かんでいる。
やがて滑走路がはっきり見えてきた。
空港には珊瑚礁の海が滑走路の直ぐ脇まで迫っていた。
クーリー丸は着陸態勢に入った。
やがて空港ターミナル辺りの様子がはっきり見えてきた。
<あっ、あれは!>
健太は一瞬自分の目を疑った。
空港全体に黒山の人だかりが出来ている。
<一体どうしたんだろう、、、>

 クリー丸が着陸してドアが開いた。
機内に入ってきた空港の風はとても爽やかで、
花の香りが心地良い。
まるでハワイのようだ。
表には何故か大勢の人たちがいて、
健太たちを出迎えているようだった。
ポーラちゃんが先に降りてゆく。
辺りに向かって手を振っているポーラちゃん。
「プリンセス・ポーラ!」
「プリンセス・ポーラ!」
人々は口々にそう叫んだ。
<ポーラちゃんはここでお姫様?>
健太も続いてクリー丸から下りてゆく。
健太が空港の滑走路に足を下ろした途端、ブラスバンドが鳴り出した。
「ジャンジャン、ジャンジャカ、ジャンジャン、ジャジャジャジャ、ジャン~!、、、、、」
「なんだこりゃ!軍艦マーチじゃないの?!」
そしてスピーカーが鳴ってアナウンスが始まった。
「プリンセス・ポーラお帰りなさい。
そしてプリンセス・ポーラを救った男の中の男、健太さま~。
遥々地球星ジャパンよりこの化粧星「ラニカイ王国」へようこそおいで下さいました。
ラニカイ王国民を上げて大歓迎させていただきます!」
「な、何なんだよ、これは!」
「フフフ、、。驚いた健太!」
ポーラちゃんは健太のとまどった顔を見て、
悪戯っぽく笑っている。

 レッドカーペットが敷かれている。
そこを歩く健太とポーラちゃん。
ポーラちゃんは周りの人に笑顔で軽い会釈をしている。
握手を求める手もあったけどポーラちゃんは知らん顔をして通りすぎる。
良く見るとその大衆の殆どがモデルのようなスタイルの良い美人達ばかりだ。
健太を見てウィンクをしてくる娘もいる。
「ケンタ!」
そして皆それぞれ声をかけてくる。
中には感極まって泣き出す女の娘もいた。
<これは一体、どうしたってこった、、、>
しばらくレッド・カーペットを歩いているうちに何処となく不自然を感じ始めた。
一部の美人達の様子がどうも変だ、、。
さすが「化粧星」だけあって、それぞれ皆綺麗に化粧をしている、、。
<けど、、、何かおかしいぞ、、、>
第一男の姿が見えない。
その時大衆のうちの一人の声がはっきり聞き取れた。
「ケンタ!」
それはまさに男の声だった。
<ニュー・ハーフ??!!>

 大歓迎の渦をあとに、
健太はもみくちゃにされそうになって出迎えの車に乗った。
後を追いかけてくる車もあったが、
運転手の見事なハンドル捌きで上手くまくことが出来た。
フリーウェーの先に山々が見える。
それはまるでコウラウ山脈のようだった。
健太は素直に疑問を投げかけた。
「ポーラちゃんはプリンセスなんだね、、」
「そう言うことだわ」
「それが何故ポリス星に?」
「フフフ、それは健太と同じ理由よ」
「まさか、スピード違反?」
「そう。免許も持ってなかったし、クリー丸は無許可宇宙自動車だったの」

 30分程フリーウェーを走っただろうか、
隣を走る車を見るとトヨタ・カムリーにそっくりだった。
ドライバーはどう見てもニューハーフだ。
「この国にはニューハーフが多いの、、?」
ポーラちゃんは外の景色を眺めながら疲れたように言った。
「この化粧星はね健太、
古代から皆化粧をして生活してきたの。
男も女もね。
何処の星でも同じだと思うけど、
この化粧星でも過去の歴史の中で争いごとがあちこちで絶えなかったわ。
男達は争いごとに疲れ果てたんでしょうね、、、。
男を棄て始めたの」
「男を棄てるって、、?」

 「ニュー・ハーフになって行ったのよ。
特にこのラニカイ王国では今から5000年ほど前の戦国時代を境に、
争いごとを嫌った男性達は殆どニューハーフになっちゃったの。
お陰で戦争はなくなって、
私の先祖たちはこの国を無事に維持することが出来た。
でも本当の男性が数える程しかいなくなって行ったわ、、、。
その結果、
残った本当の男性たちは女王蜂のように、
この星、この国の子孫繁栄のために頑張ってるの、、、、」
「なるほど、、、」
ポーラちゃんがしっかり健太を正面から見つめた。
「な、何なんだよその目は!」
「健太、健太がどうしても地球に帰るって言うんなら仕方がない、
協力するわ。
だけど、それはこのラニカイ王国のために、
一肌脱いでからにしてくれないかしら、、」
「え~っ、それって!?」
「男として頑張ってもらうの!」
「なんだって~」
 
 続く、、、。


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July 25, 2012

えーつ、190歳!

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お姉さん、ワイキキじゃあここのボードが一番安いよ!
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あら嫌だ、何か落ちてきたわ!
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へー、こんなところにも魚がいるのね!
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おい、暑すぎだぜ、泳ごうよ、、。
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本物のようです!
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泳ぐの泳がないの、はっきりしてよ~、、。
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蜘蛛?、、じゃないみたいだなあ、、。
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イケメン、、いないかなあ~。

 
 健太の宇宙旅行 VII

 今健太はまた宇宙を「ヒーガン星」のある「ヘブン星雲」に向けて飛んでいる。

 OSの再インストールは極簡単だった。
さすが超近代型円盤のコンピューター、
「リインストール」をタッチパネルで押せばそれでOK、
30分ほどで完了した。
バックアップも全て内蔵されていたのだ。
健太の声もしっかり音声登録出来たので、
今やコーイチ丸は健太の命令に全て従わなければならない。

 「地球クローン星」から出発に際して、
地球へ戻ろうか、
それとも「ヒーガン星」に行ってみようか悩んだ。
でももし井上が無事にあの世に行ってるなら、
「ヒーガン星」に行けば会えるに違いない。
井上としては2度死んだ事になるけど、
もし会えるなら、
「地球クローン星」で彼を救えなかったことを一言詫びたかった。
それにあそこに行けば、
おっかさんにも会えるかもしれない!

 相変わらず宇宙の旅は素晴らしかった。
次々に過ぎてゆく星々はまさに芸術作品と言うに相応しい。
この宇宙には約1000億個の銀河があるという。
そして夫々の銀河には更に1000億個の恒星があるという。
それらに地球のような惑星を入れると、
まさに無限に近い星達がこの宇宙には存在していることになる。
一体誰がこんな物を作ったんだろうか。

 「地球クローン星」を飛び立って一体幾つの銀河を過ぎだろうか、
突然前方に、
まるで滝が流れ滝壺に落ちるような姿を思わせる壮大な銀河が迫ってきた。
それはまさに極彩色で花火のようにあちこちではじけ、垂れている。
健太は暫くその美しさに心を奪われていた。

 その時、
急に円盤内のスピーカーが鳴った。
「7%$#@~!」
「、、、、」
誰かがこのコーイチ丸に向けて話し掛けているのは分かった。
しかし健太には理解出来ない言語だ。
「7%$#@~!」
また同じ言葉だ。
「こちら、コーイチ丸の健太。そちらの言葉は意味不明です!
英語あるいは日本語で応答願います」
そう言葉を発したとほぼ同時に、
1台の小型宇宙車がコーイチ丸の右に平行して飛びはじめた。

 小型宇宙車の窓の中が見えた。
人間のように見える。
帽子を被っている。
「日本人か?」
日本語が返ってきた。
ほっとする健太。
「そうだけど、あんたは?」
「宇宙警察官!
お前の円盤はスピード違反だ。
これから『ポリス星』まで強制連行する!」
「スピード違反?ポリス星?」
「そうだ。それと、お前の円盤には通飛許可証が下りていない!」
「通飛許可証?」
「つべこべ言うんじゃない。これから強制ランディングするので、準備をしておけ!」
その言葉とともにコーイチ丸が急激に制御力を失って行くのを感じた。

 また気を失っていたようだ。
<最近良く気を失うなぁ、、、、、>
ぼやけた眼にはゴルフ場らしい景色が映っている。
健太はデッキ・チェアーのようなものに横たわっていた。
少しずつはっきりしだした目に見える景色は、
やっぱりゴルフ場だった。
老若男女がゴルフをやっているようだが、
なぜかみんなだるそうで、
楽しそうに見えない。

 「目が覚めたか?」
ふと健太の脇の椅子に座っていた男が声をかけてきた。
起き上がりながらその声の主を見た。
「あっ、トム・クルーズ!」
「そうだ俺はトム、よく分かったな?」
警官のような制服を着ている。
そういえば宇宙警察がどうのこうのって言ってたけど、、、。
もう一度男をまじまじと眺めた。
まさにトム・クルーズに瓜二つだ。
「何をじろじろ見ている?悪いが俺はカマッケなんてないぞ!」
「ははは、、大丈夫、俺もない」

 大きく息を吸った。
緑の多いこの景色、空気が美味かった。
「ここは何処なんだ?」
健太の言葉に男はめんどくさそうに言った。
「飛んでいる時に言っただろう、
ポリス・スターに連行するって、、」
「するとここが、ポリス星か?」
「そうだ」
「なかなか空気が美味いところじゃないか」
男はいぶかしげに言った。
「地球の空気も美味いと聞いていたが?」
「それが、残念ながら最近すっかり汚染されている。
でもここはポリス・スターの何処なんだ?」
「見れば分かるだろうが?
ここは警察本部。
これからお前の取調べを行う!」
「取調べをゴルフ場で?、、、」
「何か?」
「いや、別に、、」

 男は書類を手にして言った。
「お前の名は?」
「ケンタ」
「お前が気を失ってる間色々調べさせてもらったが、お
前は操縦免許すら持っていなじゃないか!」
「免許?そんなもんがいるのか、宇宙でも?」
「馬鹿言ってるんじゃない。宇宙だからいるんだろうが!
それとお前の乗っている円盤は無登録だ。
増してやあのスピードで宇宙を飛び回られちゃあ捕まえないわけにいかんだろう!」
「そんなに速かったか?」
「速いの何の、100キロ・タキオンを軽く超えていたぞ!」
<えーと、タキオンって、確か光の速さより速いものをそう呼んでいたと思うけど、、>

 その時誰かが打ったゴルフ・ボールが健太の足元に転がってきた。
拾ってみるとやけに重い。
恐らく健太たちが地球で使っているボールの重さの倍はあるだろう。
<飛ばねだろうなー>
そう思っているとボールの主らしい女性がやってきた。
ピンクのゴルフ・ウェアーが良く似合う。
近づいてきたその女性を見て健太はびっくりした。
<えーっ、ポーラ・クリーマーじゃないの?!>
「@7%$#@~」
彼女が健太に向かって何か言った。
ポカンとしていると横からトムが言った。
「こいつは日本人だそうだ」
「えーっ、日本人なの?
素敵~。ごめんなさいね。ボール有難う!」
近くに来た彼女の顔は、
やっぱり今アメリカの女子プロゴルフで大活躍のポーラ・クリーマーそっくりだった。
笑顔が可愛いくてめっぽう明るい。

 彼女はボールを渡す健太を暫くじっと見つめて、
恥らうように言った。
「私はポーラ、あなたは?」
「健太ですけど、、」
「ケンタ、、いい名前ねっ。
トム、この人も今日からここの囚人になるの?」
「残念ながらそういうことになる!」
トムがゆっくり吐きだすように言った。
「えっ、トム、、、さん、俺は囚人になるのか!?」

 その日から健太は訳もわからず「ポリス星」の囚人となった。
健太の罪は、
スピード違反、無許可・無免許操縦、それに無登録円盤操縦で、
かなりの重罪だそうだ。
刑期はポリス星の10年。
一体地球だったらどのくらいの長さなんだろうか、、、。
ただ驚いたのは、
ゴルフ場が警察署兼刑務所で、
囚人は日課として毎日ゴルフをしなければならない。
その上スコアが悪いと刑期を伸ばされると言う。
ゴルフ三昧、、、、。
以前の健太なら大喜びだっただろうけど、
今の健太は足が痛くてゴルフをすることは苦痛でしかなかった。

 刑務所には檻はなかった。
しかしそこには厳重なアンビザブル・セキュリティ・ネットが施されていて、
脱走など到底無理だと言う警察官トムの話だった。
寝泊りにはゴルフ場の片隅にバンガロー風の質素なものが、
それぞれの囚人に与えられている。

 それにしても足が痛い。
やりたくもないゴルフを朝から晩までやらされて、
ポリス星の日々は過ぎてゆく。
コース自体はアップダウンの激しいかなりの難コースで、
恐らく健太が元気だったら充分に楽しめたと思う。
フォー・サムは刑務所長によって決められる。
何故か健太は「化粧星」から来たと言うあのポーラちゃん、
「オチンチン星」から来た団子っ鼻のボブさん、
そして「どろぼう星」のスリ・ママさんと一緒にまわされることが多かった。
さすが「オチンチン星人」のボブさんはプレー中、
折にふれてはポーラちゃんを口説こうとしていた。
一方スリ・ママさんはやたらべたべたと、
その太った体で健太にまとわり付いて来くる、、。
 
 毎日歩きで4ラウンドもプレーさせられて、
肉体的にも精神的にも参っていたある真夜中のことだった。
「健太、起きて!」
ポーラちゃんが忍び込むように健太のバンガローにやってきて、
ベッドの上の健太を揺り起こした。
寝ぼけ眼で見上げる健太にポーラちゃんは言った。
「ねえ、お願いだから私を連れて逃げてちょうだい!」
ポーラちゃんはとても思いつめた表情だ。
「一体どうしたんだよ、ポーラちゃん?」
「健太、私はじめて健太を見たときから好きになっちゃったの。
健太とならここから逃げ出せそうだわ!
それに私はまだ若い!
こんなところであと10年も過ごさなければならないなんて、
大切な私の青春が台無しにされちゃう!」
さすがポーラちゃんは「化粧星」から来たと言うだけあって、
肌もつやつやして若々しく、綺麗に化粧をしている。
そしてひたむきなその瞳は眩しいばかりに美しかった。
そんな美人から「好き」なんて言われると、
いくら健太と言えども鼻の下が長くなる。

 「でもポーラちゃん、この刑務所には厳重な、、、、」
「アンビザブル・セキュリティー・ネットね?
大丈夫心配ないの。
9番ホールから10番ホールへ道路を潜る地下トンネルがあるでしょ?
あのトンネルの途中に秘密の抜け穴があるのよ。
あそこならあのネット網は届かないし、抜け穴を通って刑務所の表に簡単に抜け出せるの!」
うーむ、いくらそう言われたって健太にとってはやっぱり藪から棒だ。
不安はぬぐえない。
「でも、ここから抜け出した後はどうするんだよ。
健太の円盤は何処にあるかわかんないし、
たとえ分かってもそこまで行く手段がない、、」
ポーラちゃんはベッドに座っている健太の両肩をしっかり掴んで言った。
「心配ないわよ!
化粧星の仲間には既に連絡がついてるわ。
その抜け穴の出口には、
健太と私が乗れる宇宙自動車が用意されてるのよ!」
 
 確かにポーラちゃんの言う通り、
このまま10年間もこんなところで毎日4ラウンドもゴルフをやらされたんじゃあたまんない。
それにとんまには一寸気が引けるけど、
こんな美人との逃避行、
まんざらでもなさそうだぞ、、、。
「ポーラちゃん、君の言う通りだ。
後10年もここにいたら健太は80歳になっちゃう!
分かった。一緒にここから抜けだそう!」
その健太の言葉にポーラちゃんが目を丸くした。
「一寸待って、健太ってそんなに若いの?」
「そ、そうかなあ。俺って若いかなあ、、?」
「若いなんてもんじゃないわよ!私の半分もないじゃない!」
「半分もないって、、ポーラちゃんは幾つなのさ?」
「私?私は今年でちょうど190歳になるわ」
「ひゃ、ひゃくきゅーじゅーだって!」

 続く、、、。

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July 20, 2012

ワイキキだよ、おっかさん!

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久しぶりのワイキキ・ビーチだよ、おっかさん!
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ワイキキ・ビーチ交番の直ぐ隣りです。
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足がいっぱい!
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このカラフルの景色はワイキキならでわだよね。
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SS天国のワイキキだ~ぁ!


 健太の宇宙旅行 VI

 とてもこの世のものとは思えない変わり果てた井上の姿、
しかしどうもそれは井上であることに間違いなさそうだ、、、。
一瞬健太の中で葛藤が始まった。

<健太、お前は親友を見捨てるのか !>
<だけど、これは井上なんかじゃない。どうみても化け物だ!>
<俺はもしかして、
何かに試されているのかも知れない、、、、、
友達思いの心温かいやつなのか、
それとも薄情なやつなのか、、、、>

 その時、
外部マイクが異様な音を拾ったような気がした。
「ザラザラ、ズズズー、バサッ、バサッ、、」
不安がよぎった!
<なんの音だ!>
やがて月下の砂浜のあちこちで砂が盛り上がりはじめた。
それを知ってか知らないでか、
井上は執拗に透明なスライド・ドアを叩く。
「何をしてる健太、早く開けてくれ!」


 次の瞬間、
辺りには不気味な光景が繰り広げられ始めた。
盛り上がった砂の中からは次々と人影らしきものが現たかと思うと、
足を引きずりながらこっちに向かって歩き出したのだ。
1人、2人、4人、6人、、、、、。
その数はどんどん増えて行く。
足取りは不確かだ。
それもそのはず、その人影にはどれも足先がなかった。
ボロボロの服を身にまとい、
月明かりに照らし出されたその顔はどれもみな薄汚れてただれて見える。
<化け物の集団だ!>

 こんな状況じゃあドアは開けられない。
開けたが最後、
井上をはじめとする化け物たちに健太は飲み込まれてしまう。
「井上勘弁してくれ、これじゃあドアを開けたら俺がやばい!」
その健太の言葉にスライド・ドアにへばりつく井上の表情が、
心なしか悲しそうに歪んだ。
「け、健太、冷たいなあ、、、。奴らは俺を捕まえようとやってきたんだぞ!
だから頼む助けてくれ、
俺をドアの中に入れてくれ!」
<冷たい?>
それは健太にとって全くもって不本意な言葉だった。
そこまで言われちゃあ健太の男が廃る!
お世辞にでも、
皆が「心優しく・暖かい人」なんて言ってくれる健太様だ。
何だか分かんないけど、なにやら急に頭が混乱し始めた。
<えーい、どうにでもなれー>
「分かった井上、今開けてやる!」
次の瞬間、
健太の指はスライド・ドアを開けるスイッチを押していた。

 
 <わっ、眩しい!>
閃光が走った。
それはまるで100万台のカメラのフラッシュをいっぺんに浴びたような明るさだった。
と同時に体の表面だけ、
それも「表面全体の一枚の皮」だけが焼けるように熱くなった。

 全身が汗でぐっしょり濡れている。
暫くすると閃光で見えなくなっていた目が徐々に回復して、
あたりの景色が見えはじめた。
映る景色は「地球クローン星」の朝のアラモアナ・ビーチに間違いない。
ダイアモンドヘッド様が堂々と東の空に見える。
椰子の木やハイビスカス、ブーゲンビリア、
そしてプルメリア、、。
藪の向こうには、
井上が取りに行こうとしたバナナの木も見える。
北側にはコウラウ山脈もくっきりと見えている。
地球で言えば健太の住んでいるパンチボールの辺りも良く見える。
外部マイクが風の音波の音をきれいに拾っている。
いや、今日は小鳥のさえずりすら聞こえる。
この星では小鳥は朝だけさえずるのだろうか、、。

 時間的感覚が不確かなので、
あれが「夕べ」の出来事だったのか「今さっき」の出来事だったのか、
判断しにくい。
しかし自分の中では「夕べ」、、と言った感覚で全ての記憶が残っている。
<それにしても、あれは何だったんだろう、、、>
いずれにしてもこの美しい今の景色からはとても想像もつかない。
全てが夢、嘘の様だ。
<夢、、、嘘、、、>
ふと、
さっき井上がへばりついていたスライド・ドアの透明な部分に目をやった。
もちろん井上の姿などない。
あの怪物が吐き出していった汚い緑色の粘液は、
とっくに波に洗われて綺麗になっている。
しかし一寸した汚れが目に入った。
<なんの汚れだろう、、>
どう見ても表側から誰かが手で擦ったような曇りだ。
よくよく見ると、それは数字に見える。
「20、、」
と読める。

 その数字はどうみても表側から書かれているので、
それが果たして正確な読み方なのかどうか、、、。
健太はドアを開けて注意深く円盤の表に出てみた。
暫く様子を伺って、
ドアの透明部分の曇り具合を見た。
それは20ではなくて「OS」と読める。
ひょっとしたら夕べの出来事は夢ではなく、
すべて本当の出来事で、
井上が健太に何かを伝えるために、
この「OS」と言う字を残して行ったのかもしれない、、。
ふと向こうのバナナの木にもう一度目をやった。
<あっ!バナナが、、、>
昨日たわわになっていたバナナが、
一部何者かによってもぎ取られたように無くなっている。
<夕べ井上は本当にバナナを俺にくれようとして、、、、!>

 朝のビーチの空気は滅法美味かった。
汚染がない分、
地球の空気より澄んでいるのかもしれない。
パンチ・ボール方向を見るとその手前の藪にはパパイヤの木があった。
バナナよりずっと近くにある。
<あれが食べたい、、、、>
健太は用心深くパパイヤの木に近づいた。
幸い怪物は現れそうもない。
辺りの枯れ木を拾ってパパイヤを落とした。
良く熟れていてでかい!

 円盤に戻って早速朝食としてパパイヤを食べた。
フレッシュ・フルーツの香りが円盤内に広がった。
これも地球のパパイヤよりずっと甘く、
肉厚で美味かった。
パパイヤを食べながら考えた。
何らかの理由で消えてしまった井上と化け物たちだけど、
おそらくこのドアに書かれた「OS」の文字は井上が残して行ったに違いない。
<あいつが俺に何かを伝えようとして、、、、>
「OS、OS、OS、OS、、、、、」
何度も何度もそれを口に出し言ってみた。

 時はどんどん過ぎてゆく。
朝の空気は涼しくて気持ちがよかった。
しかしこの星の太陽が真上に来た頃、
猛暑がやってきた。
エアコンを入れた。
幸いそうしたタッチ・パネルの操作は井上でなくとも、
出来るようになっていた。
<タッチ・パネル、、コンピューター、、、>
その時、
一つの考えが健太の脳裏を掠めた。
<これかも知れない!!>

 井上の残したOSの文字は、
この円盤内のコンピューターのOSの事じゃないだろうか!
つまり、健太がこの星におさらばするには、
健太の命令を聞くように、
この円盤のOSをセットし直さなくちゃいけないのだ。
「OSの『再インストール』!」
健太はこれまでに何度もウィンドウズのOSの『再インストール』やった事がある。
それも専門家『ボルキチさん』の手ほどきで、
完璧な再インストールが出来るようになっている!
目の前が急に明るくなった。
「このコーイチ丸のOSの再インストールをやって見よう!」
健太は自分で自分に向かって強くそう語りかけた。

 続く、、、、。

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July 17, 2012

ベルタニアのマック!

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久しぶりにゴゴー丸でベルタニアのマックへ。向こうに見えるのはバーガーキング。
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そう、これがベルタニアのマックです!
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最近運動不足なのであまり量が食べれない。健太は「フィレ・オー・フィッシュ」を頼んだ。とんまはアンガス・デラックス!
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その後一寸アラモアナ・ビーチに寄ってもらいました。皆楽しそうだね!!
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幾ら白人さんといっても、パドルボードはやっぱり彼女にでかいよね!
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最近のアラモアナはサーファーよりパドル・ボ-ダーの方が多い、、。
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地図の左端真ん中より一寸上の水色丸印が「ベルタニア・マック」だ!

 健太の宇宙旅行 V

 「イノウエ~!!」
必死な叫びをよそに、
井上を抱え込んだ怪物は海中へと消えていった。
健太は反射的に円盤から飛び出していたいたのだろう、
気が付くと砂浜に立っていた。
 
 静かな波の音が、
まるで何事も無かったかのように聞こえてくる。
暫く怪物が井上を抱えて消えていった海面を、
呆然と見ていた。

 と、次の瞬間、
「ザバーン!」と言う水音とともに、
さっきの怪物が再び海中から現れた。
健太が立っていたのは円盤から15メートルほど離れたところだった。
慌てて砂浜を走って円盤に飛び乗った。
怪物は青苔のようなもので薄汚れたクリーム色の胴体を、
そのドアに向かって猛烈な勢いで伸ばして来た。
しかしタッチの差でスライド・ドアを閉めるのが早かった。
怪物はそのドアの透明な部分に勢いよくぶつかった。
太い鈍い音とともに円盤が大きく揺れた。
長く伸ばした怪物の象の鼻なのような突端は、
まるで蛇が鎌首をもたげる様にして円盤の外から健太を見ている。
「井上を返せ!」
健太は外部スピーカーをオンにすると、
体を乗り出すようにして叫んだ!
暫く睨み合いが続いたが、
やがて怪物は暴れるように胴体をくねらせて、
再び海中へと消えて行った。

 怪物がぶち当った円盤の透明なドアには、
奴が吐き出したと思われる緑色の液体がべったりと付着している。
全身の力が抜けたようにリクライニング・シートに身を沈めた。
辺りは既に茜色に染まりはじめている。
あれこれ思いをめぐらせて、
井上を助け出す手段は無いものかと考えてはみたものの、
妙案などあるわけが無かった。
またぞろ急激に足の痛みがやってきた。
痛みと同時に悔しさもこみ上げてきた。
 
 仕方がない。
こうなってしまった今は、
一刻も早く地球に戻らなくえはならない。
「許せ井上!」
そう心の中で叫ぶと井上の見よう見まねで操縦席に座り、
パネルをオンにした。
そして前方を見て一呼吸すると、
円盤に出発命令をだした。
「コーイチ丸、地球に向けて出発!」
その健太の声の後に一瞬の間があった。
が、直ぐにスピーカーが鳴った。
「エラー、エラー。
音声が違います。
適正音声で命令してください!」
<えーっ!>

 それは何度やっても同じことだった。
<どうしよう、、>
あらゆる可能性を考慮して解決策を模索したが、
今の健太の知識では良い答えなど出て来る訳がない。
辺りはどんどん暗くなり始めた。
「地球クローン星」から見る夜空は荘厳だった。
月と思しき星が、
まるで手が届くと思われるほど近いところに見えた。
そればかりか満天の星達は「地球クローン星」に近いものが多く、
夜空は地球よりずっと明るかった。

 考え疲れて眠りに付こうとした時、
ふと「秋葉原博士」の顔が浮かんだ。
<そうだ、あれがあったじゃなか!>
ビーチ星で「秋葉原博士」が別れ際にくれた、
あの「キー・ホルダー」のようなものを探そうとポケットの中をまさぐった。
<あった!>
長さ3センチ、幅2.5センチほどの黒いそのキー・ホルダーのようなものの中央には、
小さなボタンが付いている。
はやる気持ちを抑えながら、
右手にそれをもって親指で中央のボタンを押した!

 ボタンを押すと同時に、
「ビヨ~ン!」と言う音がした?
そして先端の方から、
バネ仕掛けで人形の頭が飛び出してきた。
禿げ頭に両耳の上には白髪のアフロ、
ほっぺたが赤く団子っ鼻、
それはまさしく秋葉原博士の顔を模した人形だった。
「、、、な、何だこれは!?」
少し遅れて声がした。
「けんたぁ、、。何かあったのか?
どうじゃや~、これで少しは癒しになったじゃろう~~。
気楽にやれ~気楽に。ほんじゃあな!がっはっは、、、」
バッテリーがなくなって回転が遅くなったテープ・レコーダーのような声だった。

 健太はそいつを床に投げ捨てた。
頭の中に秋葉原博士への怒りが煮えたぎるようにこみ上げてきた。
勤めて冷静を装うとするがなかなか収まらない。
どっと疲れがやってきた。
幾ら考えたってどうにもなるものじゃない、。
こうなれば何よりも先ず体力が必要だ。
健太はリクライニング・シートを目いっぱい平らにして眠りに付いた。
寝ている間中、
足の痛みが「これでもか!」と言わんばかりに、
ずきんずきんとうずいた。

 <気のせいかな、、、>
ふと夢の中で誰かが声をかけて来ているような気がした。
そっと目を開けると窓の外は夜のビーチだ。
静かな「地球クローン星」のアラモアナ・ビーチは青く実に美しかった。
円盤の外部マイクをオンにした。
かすかな風の音と波の音が聞こえてきた。
ふとバナナなのなっていた方向の椰子の木辺りに、
人影を見たような気がした。
目をこらしてみると確かに人影だ。
その影は少しずつ円盤に近づいてきている。
「あっ、井上だ!」
はっきりは見えないが、
確かにその人影は怪物にさらわれたと思った井上のようだ!
「助かったのか!?」
人影は片手にバナナを持って円盤にふらふらと近づいてくる。

 その人影は夜の宇宙明かりに照らされて全体に青い。
「健太俺だ、井上だ、、。バナナを取ってきたぞ、スライドドアを開けてくれ、、」
外部マイクから伝わって聞こえてくる井上の声が震えている。
外部スピーカで健太が声を出した。
「井上大丈夫か!しっかりしろ、直ぐにスライドを開けるからな!」
しかしそう言ったものの、
その井上の姿にどことなく不自然を感じた。
目をこらしてよく見ると、
<あっ!足が、、、>
井上の靴の部分が透明なっていて、
足先が欠如している!
一瞬背中に悪寒が走った。
井上は一挙に円盤に近づいてきて、スライド・ドアの透明な部分を叩いた。
「健太、あけてくれ!」
井上の顔が透明なドアの部分にはっきりと映し出された。
「ぐっ!」
その井上の顔を見て健太は唸った。
確かに顔は井上だが、
青くただれたようになった皮膚からは蛆虫が湧き出している。
バナナを持った手からは一部骨が見えていた。
「井上!」
「お願いだ!頼むから健太、ドアを開けてくれ、、、」

 
 続く、、、、。

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July 12, 2012

何とか頑張ってま~す!

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今日病院帰りに寄った、アラモアナ・ビーチ!
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今日の波はあまり良くないですね、サーファーさん、、。
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SSもちょっぴり、、。
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メタボ、、気をつけましょう、、汗!
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ゴゴー丸のフロントガラス越しに撮ったヨット・ハーバー。


 健太の宇宙の旅 VI

 「健太、くれぐれも井上さんの言うことを良く聞いて、
おっかさんに会って来るんだぞ!
残念じゃが、わしはもう暫くここのビーチ星にいなくてはならぬのじゃ、、がっはっは!」
「分かってるよ博士!」

 これから井上と「ヒーガン星」に向かうため、
井上の空飛ぶ円盤に乗ろうとする健太に博士が申し訳なさそうに別れを告げた。
博士は団子っ鼻の下を長くして夕べのビキニ・ガール達に取り巻かれている。
銀色の空飛ぶ円盤はゴクロー丸の倍はあるだろう、
かなりでかい。
そしてそれはやっぱりビーチ星の「バイアグラの丘」に停めてあった。

 博士やビキニガール達に手を振って円盤に搭乗する井上と健太。
やがてスライドドアが閉まろうとすると博士が叫んだ。
「一寸待った健太。危なく忘れるところじゃった。これをもってゆけ!」
博士はそう言ってポケットからなにやら取り出すと、
健太に手渡した。
それはキーホルダーのようでもあり、車のキーのようでもある小さなもので、
中央に小さなボタンが付いていた。
「健太、万が一何かあったらそのボタンを押すのじゃ、良いな!」
「ああ、分かった」
スライドドアが閉った。
「じゃあ出発だ。
コーイチ丸、ヒーガン星に向かって飛んでくれ!」
「了解!」
井上の声に応えて円盤内のスピーカーが鳴った。
「おいおい井上、何だいその、コーイチ丸ってのは?」
みんなで健太の真似をして同じ様な名前をつけるなんて、、、。
そう思っていると井上がおもむろに、
「健太、お前は俺の名前を忘れたのか?」
「、、、、、、」
あつ、そうだった、
井上は「浩一(コーイチ)」って言う名前だったっけ、、、(汗)。

 コーイチ丸の乗り心地は快適で、
すいすいと宇宙空間を飛んで行く。
じっと黙って窓の外を見ているだけで飽きることがない。
ビーチ星に行くときに見た「ルビー星」、「サファイア星」、
「エメラルド星」のようなものはもちろんの事、
「ネオン星」とでも呼ぶのか様々な色が点滅している星もある。
それはとてもこの世のものとは思えないほど美しい景観だった。
「健太、ヒーガン星は銀河系からは遠く離れていて、
アンドロメダなどの沢山の星雲を越えた更に向こうにある『ヘブン星雲』にあるんだ。
その間充分この素晴らしい景色が楽しめるぞ!」
<ヘブン星雲、天国星雲かよ?>
なにやらいやな予感がした。
急に忘れていた足の痛さが戻ってきた。

 ビーチ星を出てどのくらい経っただろうか、
いつの間にか健太は居眠りをしていた。
ふと目が覚めると井上も寝ている。
移り変わる宇宙の景色は相変わらず凄い。
と、その時、
前方右手に微かに「虹」のようなものが見えてきた。
それは徐々に近づいてきて宇宙空間に大きく掛かっている。
きっと宇宙空間の何かが何処からかの光に照らし出されて、
こんな具合に見えるに違いない。
さんざめく星達をバックに輝く虹はまさに荘厳そのものだ。
「井上、起きろ!虹だぞ虹!」
興奮のあまり井上を揺り起こした。

 井上は眠気眼を擦りながらその虹を見た。
しかし、
その井上の表情が一瞬蒼白になった。
「け、健太これは宇宙虹だ!」
「そうだろうなあ、綺麗じゃないか!」
「じょ、冗談じゃない。
良いか健太この虹は宇宙のほこり、宇宙塵が照らし出されてるんだ」
「分かってるよ。でもそれって単なる『ごみ』みたいなものだろ?」
「そうなんだけど、
問題はこのほこりじゃない。このほこりを作った大元だ、、、」
「大元?」
「おそらく極最近、この辺りで大きな星の爆発があったに違いない。
俺たちは今、
その爆発した星が撒き散らしたほこりの中を通り抜けている。
つまり、その爆発した星の無数の巨大な破片が、
俺達の行く手にはあるってこった!
この円盤は普通の星なら自動的によけて通れるけど、
そうした密集した星の破片は避けることが出来ない。
恐らく今のスピードでは時期にこの『コーイチ丸』はその破片に追いついてしまうことになる!」
その井上の言葉が終わったか終わらないうちに、
大音響の衝撃音とともに円盤が大きく揺れた。
まるでビックリハウスにでも入っているようにあたりの景色がぐるぐると回りだした。
「わーっ!」
2人は大きな声で叫んだ。
その時、
円盤内に搭乗者の体を保護するエアーバッグのようなものが広がったのを健太は見た。

 あれからどれほど時間が経ったのだろう。
そう言えばマウナケアを発ってから時計を見た覚えがない。
まあこの際時間などどうでも良い。
大体宇宙に時間なんてあるんだろうか、、。
ともあれ、
あの爆発星のかけら軍団に突入した健太達だったけど、
どうやら命だけは助かったようだ。
目の前のエアーバッグのようなものをどけて見ると、
隣で井上も静かに目を開いた。
「俺たちは、、、」
「どうやら命だけは助かったようだなあ、、」
井上は暫く目をしばたいていた。
「ああ、幸運にもそうみたいだ。
最もこのコーイチ丸はいざと言う時はALSが働いて、
一番最寄の『地球と同じ環境の星』にランディング出来るように設計されているんだけどね、、」
「でも井上、ずいぶん円盤が傾いてるような気がするけど故障していないのか?」
「ははは、、そいつも心配ない。
ARSが作動して徐々にだけど、壊れた部分を円盤自身が直してゆくんだ」
「凄いじゃないか!」
「それにしてもここは何処何だろう、、」
井上の言葉に、
健太は円盤内のエアーバッグのようなものを全て押しつぶして、
円盤の外が見えるようにした。
思ったより円盤には外傷がないようだ。
そして少しづつ窓の外の景色が見えきた、、、。

 「あっ、これは!」
なんと円盤「コーイチ丸」はどこかのビーチの砂の中に、
半分ほど突き刺さる形で埋っていたのだ。
時折押し寄せる波がピチャピチャと円盤の窓を洗っている。
健太は更に良く辺りの景色を見て驚いた。
どこかで見たことのある景色だ。
いやそれも毎日見ていたような、、、。
「おい、井上ここはアラモアナ・ビーチじゃないか!」
「、、、、、、」
井上は黙って考え込んでいる。
だけど健太は自信を持って言った。
「いや。ここは絶対アラモアナ・ビーチだ。
椰子の木、コバルトの海!
ハイビスカスの花、ダイアモンドヘッド様だってあそこに!」
井上は健太の指差す手を抑えて静かに下ろさせた。
「確かに、、似ている。だが良く見ろ健太。
ここは確かアラモアナ・ビーチに似ているけど、マジック・アイランドは何処にあるんだ?
それどころかホテルやコンド、ショッピング・センターは何処なんだ?
観光客やローカルの連中は皆何処へ行っちゃったんだよ?」
「、、、、」
そう言われてみると確かにおかしい。
ビーチには人影らしいものはないし、
建物もなく、
辺りはとても人が住んでいるようには思えない。

 井上がぽつりと言った。
「どうやらここは地球に似た、、いや地球と全く同じように造られた『地球クローン』のようだな、、」
「地球クローン、、、だって?」
「かつて我々の先祖はある星から地球へ向かった。
彼らの住んでいた星の環境が、
既に人間が住めるような状態じゃなくなっていたんだ。
そこで彼らの一部が、
いわゆる『ノアの箱舟』で地球へ向かったって訳だ。
しかしそうする前に彼らは、
これから向かう地球の環境がまた人間の住めるところじゃなくなった場合を想定して、
この宇宙全体に幾つもの地球と同じ環境の星、
つまりこの『地球クローン星』を作ったのさ」
「『地球クローン星』かあ、、。しかし井上、
お前は何でそんなことを知ってるんだ?」
「ははは、、ヒーガン星ではみんな宇宙史を習ってるからね」
健太には何がなんだかさっぱり分からなくなってきた。
その時井上が窓の外のビーチの先を指差して言った。
「健太、あそこにバナナがなってるぞ!ちょっと行って取ってくるか!
俺はもう宇宙食に飽き飽きしちゃったよ」
井上はタッチ・パネルで傾いた円盤の体制を正常に戻すと、
スライドドアを開けた。
それと同時に、
外部の爽やかな空気が一挙に円盤内に入ってきた。
なんと、プルメリアの香りもするじゃないか!
健太がその空気を満身に浴びて味わっているうちに、
井上はさっさと円盤外の砂浜に降りて行った。
「おい、井上、大丈夫なのかよ?!」
「大丈夫に決まってるだろ!気持ちが良いぞ健太、お前も来いよ」
井上は嬉しそうにビーチを走り出した。
その時!

 まさにその時だ!
波うち際から何かが飛び出した。
それはまるで象の鼻のように長かった。
しかし色は汚れたクリーム色で太い。
そいつは驚くほどの早さでビーチを走り回る井上めがけて更にその長い胴体を伸ばした。
怪物だ!
「井上、気をつけろ!」
そう叫んだ健太だったけど、
時既に遅し。
井上はその怪物の胴体に巻きつかれるようにして海の中に引き込まれてゆく。
とっさに健太は円盤のドアから出て井上を助けようとした。
しかし井上は叫んだ。
「健太やめろー。逃げろ、逃げるんだ!」

 続く、、、。


 4日間かけて書きました。
痛みは多少は良くなってますが。
未だ5分ほどしか歩けません。
しかし何とか頑張ってま~す、、笑。

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July 07, 2012

やっぱりハワイはすごい!

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えーと、これは何処でしょうか?
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実は上の写真はグアム。とんまがグアムにフライトで行ってきたんだ。これはとんまの泊まったウェスティンから見た隣りのホテル。名前は、、わかんないそうです、、汗。
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ウェスティンを出た表の通り。
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ホテルの直ぐそばに日本食の店が。
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日本の観光客が圧倒的に多いんだろうなあ、、。
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マックもあるぞ!
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ブランド店も!
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何だか東南アジアみたいな雰囲気だよね!
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えーと、、ビーチではSSの対象はこの人だけだったようです、、。
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グアムもなかなか良いけど、やっぱりハワイのビーチはすごい!この前病院へ行った時に寄ったアラモアナ・ビーチ。
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別にどうって言うことのないショットでも、迫力が違うよね!
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これもハワイならではのショットさ!
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素敵なお母さんでしたよ。
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何時行っても素晴らしいビーチです。

 健太の宇宙旅行 III

 健太と秋葉原博士を乗せた宇宙自動車「ゴクロー丸」は、
さしたる問題もなくビーチ星のどこかの丘の上に着地した。
その丘は高さ50センチほどの背の低い緑の葉の大きい樹木に覆われていて、
ゴクロー丸はその木々をまるでクッションのようにして着地したのだ。
その丘一帯は見渡す限り同じような樹木で覆われている。
高い山は一切見られない。
海抜はせいぜい100メートルほどだろう。
丘の裾はなだらかにビーチまで続いている。
見下ろすビーチ迄はほんの500メートルほどだ。
そして眼下に広かるビーチは左右に延々と続いていて、
その終わりが見えない。
気候はハワイとほとんど変わらないようだ。

 「どうだ、素晴らしい景色じゃろうが!
それとこれ。健太君、素敵なSSをお願いしますよ。がっはっはっ!」
博士は健太にデジカメのオプテイオ・RZ20手渡すと、
なだらかな丘陵をさっさと下りだした。
それに付いて歩き出した健太。
驚いたことに足があまり痛くない。
「博士、なんだか俺の脚が!」
「痛くないのか?良かったじゃないか。
そう言えばこのビーチ星には様々な病への治癒力があると聞いていたが、、、」

 そう言いながら博士は傍らの樹木になっている木の実を摘んで食べた。
「健太、宇宙食ばかりで気の毒だったな。お前もこの実を食べてみろ。
ビタミンの豊富なこの実、なかなかいけるぞ」
言われるままに健太もあたりの木からひとつもぎ取った。
それは見るからに「干し柿」のようだった。
そっと一口、、。
味はやっぱり干し柿そっくりだ。
「どうじゃ、いけるじゃろう?これがかの有名な『バイアグラ』の実じゃよ。がっつはっは!」
「、、、」

 ビーチに着いた。
そこはまさに広大なワイキキ・ビーチと言って良かった。
色とりどりのビキニ姿の美女達がわんさと横たわっている。
半ば本能的に健太はRZ20を構えると片っ端からSSを撮り始めた。
博士は、、と見てみると、
あちこちのビキニ美女達に声を掛けているが、
どれもこれも気の毒なほど無視されている。

 SS撮りに夢中になっていた健太だが、
ふとあることに気がついた。
ビーチのあちこちにこの場に似合わない服装の、
いわゆる観光客のような人影が見られるのだ。
「悔しいのう!この星では君達の星、、いや地球と違ってわしのようなハンサムはあまり人気がないようじゃ、、」
博士は健太の傍に戻ってくると舌打ちしながらそう言った。
「博士、ほら、あっちこっちに俺達みたいな観光客風の人影が見えるけど、あの連中は、、、」
「ああ、もちろん連中もわし等と同じような観光客じゃ。
ここは宇宙のリゾート星でな、
宇宙中から皆観光にやってくるんじゃよ」
「宇宙中からって、地球以外からも観光客が来てるんですか?」
「もちろん。おそらく地球からの観光客が一番少ないじゃろう、、」
驚く健太をよそに秋葉原博士は続ける。

 「我々のこの宇宙には現在地球と同じ環境の星が、
およそ30億個ほどの存在するんじゃよ」
「30億も地球と同じよう星があるんですか!」
「別に驚くには足らないだろう。
冷静に判断すればその位はあることは誰にでも察しがつく。
もっとも、中にはまだこのビーチ星に来れるような科学を持たない星も沢山あるがな。
要するに、それらの星からみなここへ観光にやって来るんじゃよ、、」
と、その時誰かが健太の名前を呼んだような気がした。
声の方向を見ると少し先に一人の男が立っていた。

 <誰だったっけ、、>
見覚えのある顔だが誰だか思い出せない。
「やっぱり健太か!俺だよ、井上だ」
男は健太より少し若い。背は173,4センチでほぼ健太と同じくらい。
色白で面長な顔、、
「い、井上じゃないか!」
一瞬自分の顔が蒼白になったのが分かった。
「井上!おまえは、お前は確か5年前に!」
井上は健太の声にただ黙ってニコニコして笑っている。
井上は高校時代の同級生、
4人の親友のうちの一人だった。しかし井上は確かに5年前に、、、。

 「健太、そんなに驚いちゃあ井上さんに失礼じゃろう!」
博士はそう言って井上に声を掛けた。
「井上、、さんですか。わしはこの健太のブログ友達のドクター・秋葉原と申すものです。
初めてお目にかかります」
「あーどうも、初めまして井上です」
「で、井上さんはどちらから?」
「あ、私は『ヒーガン星』から来たんですよ」
「ああ、やっぱりね、、」
博士と井上のその短い会話でやっと今ここで起きている事が何なのか、
分かったような気がした。

 「『ヒーガン星』、つまり、、、」
井上が声を挟んだ。
「そう、その通り。地球で死んだ連中が行く星『彼岸星』から来たのさ」
「ほ、本当にそんな星があるのか!」
「あるんじゃよそれが、、」
「まさか!いくら博士がそう言っても、俺には信じられない、、」
少し頭痛がしてきた。
「そうかもしれない。でも俺がその星から来てこうしておまえと会ってるるじゃないか。
これは紛れも無い事実さ。
しかしまさかここで健太、お前に会えるなんて!」
井上が健太の肩をつかんで言った。
しっかりした生の感触だ。どうやら幽霊なんかじゃない。

 その夜は博士と井上と健太、
それにやっと博士が捉まえてきたビキニ・ガールの4人は、
ビーチ前の地下ホテルで盛り上がった。
このビーチ星では建物は全て地下にある。
散々飲んだところで井上が言った。
「ところで健太、お前のおっかさんはどうしてる?」
健太はおっかさんが4年前に亡くなったことを告げた。
何しろ高校生のころ井上は蒲田の健太の家に入り浸り、おっかさんには健太と同様かわいがってもらっていた。
「そうか、、俺より少し後だったんだな、、」
博士は健太たちのそんな会話には興味なさそうに、
さっきからビキニ・ガールといちゃついている。
「ところで健太、このビーチ星の後の予定は?」
「いや、べつに。とんまがグアムのフライトから帰るまで戻ってればいいんだけど、ねえ博士?」
返事が無い。
いつの間にか博士とビキニ・ガールは奥の部屋に消えたようだ。

 健太は博士が心配になってきた。
何しろ博士は自称童貞だ。
<あのしたたかそうなビキニ・ガールを相手に大丈夫だろうか、、、>
心配そうな健太に井上が言った。
「健太、心配することは無いよ」
「えー、でもやっぱり心配だなあ。いや実はなあ井上、博士はどうやら童貞らしいんだ!」
「はははは!」
井上は大声を出して笑った。
「何がおかしい?」
「その心配はいらないよ健太。だってあの人は『オチンチン星人』だ!」
「オチンチン星人!」
「そうだ。お前には何て言ってるか知らないが、
俺はあの博士に初めて会った時から、
彼が『オチンチン星人』だってわかってたのさ。
あの大きな団子っぱなは紛れも無く『オチンチン星人』の特徴だ」
「おいおいお、一体何なんだ、その『オチンチン星人』ってやつは、、」

 「別にどうってことは無い。その言葉の通り彼、
秋葉原博士はもともと『オチンチン星』からやってきたってことさ。
実はなあ健太、
彼ら『オチオンチン星人』たちは、
驚いたことに大小5本の『オチンチン』を持っているんだ」
「ご、5本も!?」
不覚にも一瞬、健太は羨望の表情を浮かべてしまった。。
「彼らはあちこちの星に行っては、その5本をそれぞれ上手く使い分けるんだ。
だから博士が『童貞』だと言っているのは、恐らくその5本のうちのどれかが、、ってわけなんじゃないのか、、。
そして彼らは実に良くこの「ビーチ星」にやってくる。
目的は、お前も見ただろう?
この上の丘に無数になっている『バイアグラ』の実を!
あれが無いと彼らは生きてゆけないんだよ。
『オチンチン星』ではバイアグラの実の乱獲や不作による品不足が、
深刻な事態を招いているらしい、、」

 驚くことばかりだ。
「ところでさっきの話。
この後の予定だけど、どうだ俺と一緒に『彼岸星』へ行かないか?」
「うーむ、、彼岸星ねえ」
「もしその気になれたら、お前をおっかさんに逢わせてやる!」

 「な、何だって、おっかさんに!」

 続く、、、、。

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July 02, 2012

銀河旅行へ出発!

5960
5960(ゴクロー丸)から見た景色の1部は確かこんなだったような、、、。

 
 健太の宇宙旅行 II

 満天の星の下、
ヘリコプターはマウナケア山頂らしいところに着陸した。
500メートルほど先だろうか、
「すばる展望台」が月明かりに照らされて青く見える。
博士はすぐに降りて健太に手を差し伸べた。
その手を借りてヘリコプターを降りる健太。
足は痛いけど降りて少しくらいは歩けそうだ。
冬のマウナケアにはハワイと言えども雪が積もる。
もうすぐ夏だというのに辺りにはなごり雪も見える。
めちゃ寒かった。
こんなことなら上着を持ってくるべきだった。

 博士は黙ってすばる展望台と反対方向へと歩き出した。
それに続く健太。
ますます寒くなってくる。
50メートルほどの凸凹な土地を歩いただろうか、
健太の足に激痛が走った。
「博士、俺足が痛い、、」
「なーんだ、だらしのない奴じゃのう。
しかしもう心配はいらん」
博士はそう言うと立ち止まり、
大きな岩陰のちょっと窪んだ土地へリモコンのようなものをかざした。
するとどうだ、
その窪んだ辺りからかすかなモーター音がしたかと思うと、
何かの台に乗って車が上がってきた。
「は、博士これは!?」

 「健太、これが今度私が開発した宇宙自動車なのじゃ!」
博士の団子っぱなの鼻の穴が自慢げに膨らんだ。
「うちゅう、、じどうしゃ、、ですかあ?」
そう言ってはみたものの、
それは健太の愛車「ゴゴー丸」のようにしか見えなかった。
「でも博士これってどう見ても、健太のゴゴー丸見たいじゃないですか、、」
「がっはっは、、、ばれたか。
実はこれはお前のMB、ゴゴー丸を基にして作ったのじゃよ。大きさもほぼ同じ、
宇宙船としちゃあ極々小粒だが、これで途轍もない性能をもっちょるんじゃ!
5960、つまり『ゴクロー丸』と呼んでくれ」
「ゴクロー丸、、ですか、、汗」
博士の意外な想像力の貧しさにがっかりした。
健太は続ける。
「しかし、健太たちは大気圏を突破しなきゃならないんでしょ?こんなので行けるんですか?」
「ドント・ウォーリー・アバウト・イット!言ったじゃろが、途轍もない奴なんじゃよこいつは!」
一瞬健太の脳裏に「バック・トゥ・ザ・フューチャー」でマイケル・J・フォックスが乗ったタイム・マシン、
デロリアン、DMC-12がよぎった。

 宇宙自動車、ゴクロー丸への搭乗は足の痛い健太の心配をよそに、
自動的に降りてきた助手席シートに座るだけでよかった。
搭乗後、シートがリクライニングになってベルトが掛かると博士が興奮したように声を上げた。
「では健太、覚悟はよいか?」
「覚悟って、、そんなに危険なんですか!」
なんだか急に心細くなってきた。
「がっはっは、心配はいらん。
この旅行が終わったらちゃんと無事にとんまのもとに返してやるさ。
さあゴクロー丸、出発だ!」
その博士の声に反応したのか車内のスピーカーが鳴った。
「行き先をお告げください!」
「いかんいかん、そうじゃったな。
健太、お前はどこに行きたい?」
そう言われても困っちゃう、だってあまりにも急なことだ。
答えに窮しいると、
「分かった、最初はわしが決めよう。2回目はお前が決めてくれ。
さあゴクロー丸、先ずはお決まりのコースの銀河旅行でもしようかのう」
「了解!」
そのアナウンスと同時に、一瞬体中の血液が熱くなったかに思えた。
 
 どの位経ったのだろう、
おそらくあれから気を失っていたに違いない。
目を開けて見るとまるで新幹線の車窓から外の景色を眺めているように、
星々が次々と過ぎ去ってゆく。
それは健太が生まれてこの方見たこともない煌びやかで美しいものだった。
ゴクロー丸は既に宇宙空間を飛んでいるのだ。
「気がついたか健太、、」
博士は前面にあるタッチパネルをなにやら操作している。
「綺麗ですね博士!」
健太は思わずそう言った。
「がっはっは、、、。これからもっともっと凄い景色が見れるぞ!」

 <一体今どのあたりを飛んでいるんだろう、、、>
銀河旅行って言ってたからには恐らく銀河の中のどこかに違いない。
しかし一体なぜこんな旅行が出来るんだろうか、、。
健太の脳裏にひとつの数式が浮かんでいる。
E=M掛けるCの二乗、、。
窓の外には次々と巨大な赤い星や、大きいけど今にも明かりが消えそうな元気のない星、
無数の惑星を従えた星、
そしてまばゆいばかりに金色に輝く星、さらには大きなガラス細工の様な星、、。
驚いたことに流れ星やホウキ星もそこいらじゅうに飛んで行くのが見える。
その時博士が言った。

 「健太、さっき右側に通り過ぎた金色の星、見たかね?」
「ああ、見ました。凄かったなーあれは。まるで全体が金で出来ているような星でした」
「がっはっは、さすがにいつも素晴らしいSSを撮る健太じゃ、観察力が鋭い。
あの星はなあ、お前の言う通り『ゴールド・スター』、
つまり星全体が金で出来ちょるんじゃよ!」
驚く健太に博士は続ける。
「それと、あの透明なキラキラ光った星、見たかね?」
「ああ、あのガラス細工みたいなやつですね!」
「そう、あれじゃ。しかしあれはなあ健太、ガラスなんかじゃない」
「えっ、ってことはあれは!」
「そう言うことじゃ。ダイアモンド星。星全体がダイヤモンドで出来ている。
良かったら帰りに寄ってとんまの土産にひと塊取って行こうじゃないか。
1万カラットぐらいで良いじゃろ?」
「1万カラットですか、凄いなあ!」、
「ちっとも凄くなんかありゃしない。お前も知っての通り、ダイヤモンドなぞ所詮は『炭素』じゃ、
そんな物はこの宇宙にゴロゴロしておるわいな」

 暫く通り過ぎてゆく星々を眺めていた健太だが、
まだ博士に行き先を聞いていないことを思い出した。
「博士、ところで我々は今何処に向かって飛んでいるんですか?」
健太の問いに一瞬照れた表情を見せる博士。
「それじゃがあ、、、。恥ずかしいのう、、」
「何が恥ずかしいんですか?」
「実はな、お前も知っての通りわしは大のSSファンじゃろ。
お前が最近具合が悪くなってすっかり新しいSSにお目にかかれなくなっちまって、、。淋しいのう、、」
「いやー、面目ありません。でも何でSSが出てくるんですかここで、、」
「そこじゃよ問題は。恥ずかしいけど言っちゃおうね。
わし達は今、銀河の地球と全く反対側に位置する地球から6万光年先の地球と全く同じ環境にある星、
『ビーチ星』に向かっている」
「ビーチ星?」
「そうじゃ。何度も言わせるな、ビーチ星じゃよ。そこには我々とまったく同じ人間が住んでおるのじゃよ」
暫くの沈黙の後博士が口を開いた。

 「ビーチ星にはなあ、
広い地域にわたってビーチがあって、
そこには無数の美女達がビキニ姿で横たわっておるのじゃ。
がっはっは、、。
健太、そこでお前に頼みがあるんじゃが、ビーチ星へ行ったら思いっきり沢山SSを撮ってはくれまいか?
なにしろお前の撮るSSが一番じゃ。
カメラはお前が使ってるペンタックスのオプティオVS20とRZ10をちゃんと用意してある!」
博士は垂れていたヨダレをその白衣の袖でぬぐいながら言った。

 <そんな星が本当にあるのかよ、、>
それにしても、
健太には博士が良い年をして何でこんなにまでSSに執着するのか理解できなかった。
単刀直入に質問をぶつけた。
「博士、でもこう言っちゃあ失礼だけど、
あんたほどの年で何故それほどまでにSSにこだわるんですか、、」
その言葉に一瞬博士の表情がこわばった。
「健太 、いくらわしとお前の仲でも言って良い事と悪いことがあるぞ。
わしは今年で80歳、いまだに独身、まだまだ若い!
だから、わしにはまだまだSSが必要なんじゃ、、」
「必要って?」
「決まってるじゃろが!マスターベイションじゃよ!」
「えーっ、あんなもんでですか、、(汗)」
健太はこの上もなく汚いものを見る目つきで博士を見た。

 続く、、。

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久しぶりの外出。病院に行くついでにちょっとアラモアナ・ビーチへ!
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今日のイカ!
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とんまの運転するゴゴー丸に横たわりながら見た、ワードア・ベニューの景色。


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